かわいいレンズ キャノン 35mm F2
最初に買ってよかった
私が夜間の写真学校に通いはじめたころ、持っている機材は友人にもらったキャノンの古い一眼レフとカビの生えた望遠レンズだけでまともに機材も無い状態でした。
自分で買ったはじめてのレンズはキャノンの35mmのF2というレンズです。
写真に関する知識がほとんど無い状態で入学したためどんなレンズがいいのかまったく分からずズームレンズだったらいろんな焦点距離で撮影できるんだからお得だし、最初は安いズームレンズでも買ってみようと、キャノンのズームレンズでどれがオススメか写真学校の先生に聞いてみたところ。
スナップを撮るなら最初は単焦点がいいよ。とのこと。
素人だった私は「えっ、ズームのほうがいろんな画角で撮れて便利でいいんじゃないの??」くらいしか考えていませんでした。
とりあえず先生がオススメしてくれたレンズを買ってみようと購入したのがキャノン35mmF2でした。
いま思えば先生の言うことを聞いておいて大正解。
これから一眼レフで写真をはじめてみようとお考えの方にはオススメです。
35mmf2をオススメする理由
- 両目で見えている感覚に近い
普段見えている世界に近いので撮りやすいんです。ファインダーをのぞかなくても大体の画面が予想できるため迷わないで澄みます。標準レンズというと50mmを思い浮かべる方がいらっしゃると思いますが私は50mmで見る画角は自分が普段見ている画角よりもかなり狭く感じます。片目で見ている感覚に近いです。
35mmは両目で見ている世界にかなり近いです。人によって視野、見えている感覚が違うと思いますが、それほど違うんでしょうか?
とにかく私の場合は35mmが標準です。 - 小さくて、軽い
長くて重たいレンズをつけて歩き回るのは結構しんどいんです。
出っ張ってる分、ぶつけたり、ぶつけられたりしないか心配ですしね。
それに知らない人に声をかけて撮るときなんかは、大きいレンズがついていると威圧感を与えかねません。
やっぱり写真は撮ってなんぼ!気軽に持ち出せることは重要。 - ルックスがいい
もともと一眼レフは何かちょっと可愛い気がないデザインに思います。機能と使いやすさを追求したらどうしてもこうなるのは分かるんですが…。
でも、意外とつけるレンズによってガラッと印象が変わります。
今回オススメしているレンズをつけると、何かちょっと愛嬌が出る感じがするんですよね。フードをつけてもいい感じです。
純正のフードが花形じゃないのも私としてはポイントです。花形のフードってなんか不細工に感じるんですよね。私だけでしょうか? - 駆動音がいい
オートフォーカスは遅いです。カメラとの相性もあるんでしょうが、銀塩の一眼レフを使用していたときから遅かったような気がします。
しかし、スポーツなど動きのあるものを撮るとき意外はそんなに気にしなくてもいい程度の遅さです。
それにピントあわせの時にキュルキュル、ジーっていう音がするんですが、その音を聞くと写真を撮ってる実感が沸きます。ちょっとうるさいと感じる人がいるかもしれませんが、レンズもがんばって働いてくれてるんだなって感じでわたしはないと寂しいくらいです。 -
自分で寄ったり、引いたりしなくてはいけない
ズームレンズだとついつい寄ったり、引いたりはズームすることで済ましてしまいがちになるんじゃないでしょうか?
これは今回紹介したレンズだけではなく、単焦点レンズ全般に言えることですが、ズームが効かないので撮りたい画にしようと思えば自分が動かなくてはなりません。
不便だと感じるかもしれませんが “ 自分の考えている画にするにはどうすればいいか考えて動く ” 工程が増えることによって早く上達できるんじゃないでしょうか?
以上の理由でこれから写真をはじめようとする方にもこのレンズはオススメ!
と言いたいところなんですが私が所有しているタイプは旧型で2012年に後継モデルが出ております。こちらは手振れ補正機能つき、オートフォーカス後にピントを手動で微調整できるようになっているみたいでそれだけ聞いてもかなり改良がされているようです。
中古ならまだまだ出回ってます。
ちょっとわがままで、うるさいけど、自分を高めてくれて、一緒にいてたのしい愛嬌のあるパートナーをお探しのかたは是非!
わたしが写真をはじめたきっかけです
きっかけはおばあちゃんとの写真
私が写真の仕事に就こうと決めたきっかけは、あるとき祖母と写真を撮ったことです。
大学生の時にふらっと祖母の家をおとずれました。
そのときたまたまカメラを持っていました。趣味で写真を撮っていたわけでは無くそのときはなぜカメラを持っていたのかもおぼえていません。
でも、おばあちゃんと二人で写真が撮りたいと強烈に思ったことはおぼえています。
おばあちゃんはシャイな性格なのでちょっといやな素振りを見せたのですが、勝手にカメラのセルフタイマーに設定して庭にある適当な高さの箱にカメラを置いて、おばあちゃんに適当な立ち位置まで来てもらって並んで1枚だけ撮影しました。
後日、母からおばあちゃんが私と写真を撮ったことをすごく喜んでいたという話を聞きました。
その話を聞いて私もすごくうれしい気持ちになりました。私はおばあちゃん子で小さいときから散々お世話になってきました。大したことはしてないんだけど、なんだかちょっとだけおばあちゃん孝行できたような気がしたので、なんだか涙が出そうになったのをおぼえています。
写真は愛だ
なぜあの時、おばあちゃんと写真を撮りたいと強烈に思ったのか?
それは私がおばあちゃんのことが大好きで大切な人だったからでしょう。
写真は撮る人が被写体のことを考え、想わなくては撮れません。嫌いな人や、嫌なものには普通はカメラを向けることさえしないと思いますから、撮影することは無いんじゃないでしょうか?
だとすると写真を撮るという行為は相手のことを考え、想うということです。
つまり、愛情表現なんだと想います。
ある写真家が「写真は愛だからね」って言ってました。私もそう思います。
そのときはそこまで深く考えてはいなかったとは思います。
なんとなく「写真がすごい力を持っていて、こんなに人をうれしい気持ちにさせてくれるものなら、それに携わる仕事がしたい。」そう思って私は写真家を志しました。
あれから10年以上経ちましたが、今でも写真を仕事にできていること、そしてきっかけを与えてくれたおばあちゃんに感謝です。ありがとう。